木曾義仲・巴御前フォーラムを開催しました

イベント

 本会主催「木曾義仲・巴御前フォーラム」(共催:津沢を愛し元気にする会、後援:小矢部市・市教育委員会・市観光協会ほか)は令和 4 年 2 月 27 日(日)午後 1 時半より、小矢部市の津沢コミュニティプラザ・多目的ホールにて開催されました。
開会挨拶の後、倶利伽羅峠の戦い CG アニメ「KURIKARA ―巴と火の牛―」の上映、木曾義仲祈願社埴生護国八幡宮の埴⽣雅章宮司・富⼭県埋蔵⽂化財センターの安念幹倫上席専門員・⼩⽮部市郷⼟史会牧野潤会⻑ら 3 人のパネリストによるフォーラム、⼩⽮部市商⼯観光課義仲・巴プロジェクト推進班の船⾒幸広課⻑補佐による大河ドラマ誘致活動に関する報告が行われました。参加者は80 名でした。

■開会挨拶 木曾義仲・巴御前の大河実現へ

 最初に廣⽥秀徳副会⻑から「本日は木曾義仲・巴御前の魅力をたっぷりと感じとっていただきたい」と主催者挨拶がありました。次に桜井森夫⼩⽮部市⻑から「本日のフォーラムを通してますます木曾義仲・巴御前を顕彰し、大河ドラマにつながることを心から願っております」とご祝辞をいただき、山下穣総合司会が代読しました。続いて津沢地区自治振興会の澤田八太郎会⻑、朝日町宮崎太郎顕彰会魚津龍一会⻑、小矢部市観光協会村上一宏会⻑、神嶋神社河合多久⺒宮司、津沢公⺠館田中良久館⻑の来賓紹介がありました。
 最後に柴田巧参議院議員がビデオメッセージで「十数年前の県議時代に木曾義仲・巴御前の大河ドラマ化を県として目指すべきではないかと申し上げた。これが県議会としての最初の出来事であった」と NHK 大河ドラマ誘致の経緯を述べました。


■倶利伽羅峠の戦い CG アニメ「KURIKARA ―巴と火の牛―」上映


CG アニメの上映に先立ち、監督を務めた沼田氏より「CG アニメ制作の経緯」についてプレゼンテーションがありました。NHK 大河ドラマ誘致にはこれまでにない「新しい何か」が必要です。それがこれまでどうしてもシーンとして描けなかった倶利伽羅峠の戦いにおける「火牛の計」であり、スターウォーズやアナ雪で使われた最新の 3 次元コンピュータグラフィックス技術を用いて映像化したとのことでした。CG アニメ「KURIKARA ―巴と火の牛―」は数十頭の火牛が巴御前と共に平家の大軍を攻め落とす動画です。細い道を火牛が駆け抜けるところなどは埴生八幡宮宮司らのアドバイスを受けつつ、平家の大軍と火牛の大群とが対峙するシーンなど若者向けのストーリーも盛り込みました。現在 YouTube で公開中です。

■フォーラム テーマ「木曾義仲・巴の魅力をとことん語る」

第2部のフォーラムは CG アニメ監督を務めた沼田氏がコーディネーターを務め、3 名のパネリストからの話題提供で始まりました。
 最初に埴生護国八幡宮の埴生雅章宮司は資料「埴生八幡宮と木曾義仲」を使って、「倶利伽羅峠での平家との合戦に臨み、木曾義仲が埴生に陣を敷いたところ源氏の守り神である八幡宮が目に入った。そこで戦勝祈願すると鳩が出現した。鳩は八幡宮の神様の使いで、『八』は 2 羽の鳩の形、鎌倉の鶴岡八幡宮の近くで売られている有名な鳩サブレーもこの鳩に由来する」と述べました。
 続いて⼩⽮部市郷⼟史会の牧野潤会⻑は資料「義仲考〜時代の潮の目を読み、新時代の扉を開いた⼈〜」を基に、「横⽥河原合戦後の1 年余りの間に、義仲は越中・能登・加賀・越前、そして都へ上るための布石を打っている。時代の潮の目を読みながら、越中では砺波地⽅の⽯⿊⽒を味⽅にした。また平家追討の令旨を発令した以仁王の遺児である北陸宮を、越中の宮崎城に迎えて都に上るための旗印にした」と語りました。なお宮崎城主であった宮崎太郎の顕彰会から4名が来場され紹介がありました。
 最後に富山県埋蔵文化財センターの安念幹倫上席専門員が資料「木曾義仲・巴御前フォーラムでのパネリストシート」を使い、史資料で見る巴御前や倶利伽羅峠の戦いについて説明しました。安念先生は「ここに全国の北海道から沖縄までの子供たちが使っている教科書がある。皆さんのお子さんやお孫さんは倶利伽羅合戦、倶利伽羅峠の戦いを歴史で学んでいる。今日はそのことをしっかり覚えて帰っていただきたい」と力強く語りました。
 話題提供の後、質疑応答に移りました。「義仲が敗れる要因となった京都の治安悪化は嵌められたのでしょうか」という質問では、牧野先生より「九条兼実の日記『玉葉』では後白河法皇を「不徳の君」と書いている。法皇の心はすでに源頼朝に移っており、してやられたのかなと思います」と回答がありました。沼田コーディネーターは「ここが非常に重要なところです。2 年前に大反逆人と烙印を押されていた明智光秀が NHK 大河ドラマの主人公になりました。時代は変わりました。木曾義仲が天から遣わされた人という流れになれば、大河ドラマの主人公になるのも決して夢ではありません」とまとめました。


■トーク 木曾義仲・巴御前の顕彰及び大河ドラマ誘致活動について

第3部のトークでは小矢部市商工観光課 義仲・巴プロジェクト推進班の船見幸広氏より木曾義仲・巴御前の顕彰及び大河ドラマ誘致活動について、「今年の大河ドラマ『鎌倉殿の 13 人』に木曾義仲・巴御前が登場します。しかしまだ 2 人を主人公とする大河ドラマは実現していません。NHK からは資料が少ないと言われています。木曾義仲・巴御前に縁のある富⼭・⽯川・⻑野・埼⽟・滋賀・神奈川の6県と 35 の市町村とで 41 自治体が『義仲・巴』広域連携推進会議を組織し NHK 大河ドラマ誘致に向け情報収集・発信しています。今回の CG アニメもYouTubeで全世界へ発信されるとのことで期待しています」と述べました。

■閉会挨拶 840年前の精神と誇りを受け継いで地域を元気に

最後に榎木勝規共同副会⻑は閉会挨拶で「840年前の人々が思いもよらないアイデアと方法で、不可能と思われる事態を打開してきました。そのような先人が私たちに縁があり、その精神が私たちに受け継がれています。そのような誇りを持つことによって、地域を元気にしていきましょう」と全体を締めくくりました。参加者からは「なぜ木曾義仲が埴生八幡宮に戦勝祈願したかがよくわかった」、「義仲・巴御前について歴史と考古学などいろいろな視点からお話が聞けてよかった」、「CG アニメは面白かった。やはり可視化は良い」などの感想が寄せられました。

【メディア掲載】

2月25日付北日本新聞と富山新聞に本フォーラムに関する記事が掲載されました。
https://webun.jp/item/7829742
https://www.hokkoku.co.jp/articles/-/669049

2月28日付富山新聞にも本フォーラムに関する記事が掲載されました。
https://www.hokkoku.co.jp/articles/-/671480

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